1957年・部報第5号  
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四年生

三年生

今年度の活躍を期待される
牛山マネージャー
(藤岡さん、岩本さんに挟まれて)

試合を終って両校仲良く
(対同大定期戦 日吉コートにて)

初の女子六大学リーグに参加
(終了後、日比谷コートにて)
 

昭和31年度卒業生送別会
於 東機会館

 
 

 

日吉の四季                   
      岩本 義久

 


「春」
 僕は春が一番好きだ。
 今迄おさえられていたテニスへの情熱が
 一度に爆発する。
 春はいい。特に日吉の春は。
 駅の階段を下りる。 心はコートに飛んでいる。
 飛ぶように坂をかけ上る。
 振り仰ぐと木々の新緑が映える。
 そうだ! 日吉の春は銀杏並木からだ。
 ふと、足を止める。青春に満ち溢れた枝々。
 青くさい、それでいて甘ずっぱい匂いが鼻をつく。
 コートに立ち大気に向かって力一杯息を吸う。
 さあ、これから僕の新しい人生が始まるんだ。

 銀杏の枝々が色増す頃、鬱陶しい梅雨がくる。
 人の気も知らぬげにしとしとと降り注ぐ。
 コートも青空を求めて泣いている。

「夏」
 やがて雲一つない青空と共に夏がやってくる。
 日吉の夏は朝がいい。
 銀杏並木の下に立つ。
 はるかコートの上から、まぶしい、大きな太陽が
 静かに上ってくる。
 緑深くなった木々の梢が長い影を引く。
 コートも待ちかねていたように朝露に濡れて
 キラキラ輝いている。
 夏は暑い。焼ける様だ。
 苦しい練習が続く、ラケットが振られる。
 白球が飛び交う。
 可愛いコートが不規則な細長い口を開けて、
 一杯のバケツの水をうまそうに飲む。
 汗にまみれた皮膚に真白いポロシャツが映える。
 きびしい練習が続く。
 太陽がつくる校舎の大きな影がコートを包む頃
 夏の一日は終わる。

「秋」
 それから秋がやってくる。
 スポーツの秋、テニスの秋が。
 練習でほてった頬を涼しい風が吹き抜ける。
 やや色褪せた木々の上にくっきりと冨士が浮ぶ。
 工場の煙突越しに海が見える。
 夕暮が迫る。
 日吉の秋は夜がいい。
 練習で疲れた脚がバスケットのコートを過ぎる頃
 月が出る。なんて美しい月だろう!
 冷たい光がコートに、僕等に降り注ぐ、
 銀杏並木が黒々と続く
 処々に街燈が影をうつす。
 やがて木枯しが吹き、黄色く色づいた銀杏の葉が
 一枚、二枚枝を離れる
 コートの上を北風が吹き抜ける。
 砂が飛ぶ。
 落葉で並木道がすっかり埋まる頃
 シーズンも終りを告げる。

「冬」
 そしてわびしい冬がやってくる、
 日吉の冬はさびしい、
 元気な若者の声も聞えない、
 真白なラインが日一日と薄れて行く、
 銀杏並木も葉を落し、枝々が寒そうに空を切る
 枝の間から雪をかぶった、富士の山が
 やわらかい冬の日差しをあびて。
 工場地帯の煙突が二筋、三筋、力強い煙を
 はいている。
 今日も若者達の姿は見えない、
 コートが、銀杏並木が、僕等が、
 春を待ちわびている。
 やがて来る、新緑に満ちた、
 喜びと希望に溢れる、
 人生の春を。

 

 

 

 

 

 

テニスの唄
 
                  医学部 木下 真男

 

いいかいくぞのかけ声かけて
 エンドラインで豪球を
  切って放ってエースを取れば
ちらり仰いだ青空の
  白い雲さえほほえみかける     (後衛)


心抑えてチャンスを待って
 ここが勝負のしどころと
  出足鋭くヴォレイを決める
持ったラケット伊達じゃない
  ネットプレイの小気味よさ     (前衛)

白いラインは心にしみて
 浮世の憂さも忘れ去る
貴様と二人力の限り
「若き血」に燃え球を追う
 テニスコートは心の故郷

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